手首が痛い原因は腱鞘炎だけじゃない!痛みの原因と対策を紹介
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≪手首のトラブル≫
手首が痛い原因は腱鞘炎だけじゃない!
痛みの原因と対策を紹介します。
手首のトラブルはスポーツに限らず日常でも転倒して手をついたり、手の使い過ぎによって痛めることが多い部位です。
手首(手関節)は前腕の骨(橈骨、尺骨)と手の根元にある8つの手根骨からなる骨との接合部(関節)を言います。この関節のつなぎ目にある靭帯や軟骨、あるいは骨にかかわるトラブルが起こります。
日常生活でも、常に使う頻度の高い部分なので、一度痛めると日常生活に支障が出ることも多く、しかも治りきらないうちに再び使い始めてしまうと関節周囲の筋腱に負担がかかり、別のケガにつながることもあります。
手首にかかわる痛みの原因と対処方法について説明します。
*手首が痛い
手首の痛みの原因
手首に関わる痛みのケガ代表的なものを以下にあげます。
「捻挫」
転倒などで床や地面に手を着く、手が急に捻られるなど急激な力が手首にかかることによって靭帯、腱、軟骨、骨が損傷されることがあります。
捻挫は、骨と骨とをつないでいる靭帯が伸ばされたり切れてしまうことで手関節の強い痛みや腫れが出てきます。
手関節の靭帯は、小さな骨が密集しているためどこの靭帯を痛めているのかが特定できないこともあり、骨折などを伴っていることもあるため、痛みや腫れが大きく、変形していたり、動かせないほどであれば医療機関での検査が必要です。
「骨折」
骨折は、骨自体が損傷されるもので変形や著しい腫れが出てきます。
とくに転倒や尻もちをつくなどのアクシデントでは、とっさに手を床や地面に着いてしまうことで、尺骨と橈骨端が折れてしまうコーレス骨折は、手関節の拘縮や転位など難治性になることが多く注意が必要です。
(コーレス骨折)
また床に手を着く同様の動作で親指の付け根にある舟状骨も骨折することが多く見受けられます。これは、手を地面に着いた際に橈骨と地面の間に舟状骨が挟まれる形で大きな力が加わると舟状骨が骨折を起こすことがあります。
親指を外側に開くと、手首のところに2つの腱が三角形をなすくぼみの部分が舟状骨にあたるため、この腱やくぼみが腫れて見えなくなってしまう、くぼみ部分を押すと強い痛みが出るなどの症状があれば、骨折を疑います。捻挫との見分けが困難な場合もありますので医療機関での診断が必要です。
「TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)」
手首の小指側の関節にあるTFCC(三角形の線維性軟骨)が、転倒などの直接外力により損傷されることや、テニスやバドミントンなど、ラケットを振る動作を繰り返すスポーツに見られます。
テニスでは、ラケットの重さ、大きさなどの変化に伴いラケット操作が複雑になり、手首に負担のかかる動作を繰り返すことで近年発症する例が多くなっています。
TFCCを損傷すると、手首の小指側の関節に不安定を来たし、とくに手首を捻る動作に支障が出るため、ラケット競技では手術に至る場合も少なくありません。
スポーツ時には、小指側の関節に圧迫が加わり動きを安定させるためのサポーターやテーピングを使い、できる限り回旋や圧迫への負担を減らすことを心がけましょう。
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「手根管症候群、ギオン管症候群」
手根管(手首の手掌側にある腱や神経、血管などが集まって通っているところ)やギオン管(手根管の小指側にある神経や血管が通っているところ)が圧迫されて神経症状などが出るものを言います。
ラケット競技、体操、車いすなど、手首の曲げ伸ばしを繰り返すことが多い競技に見られます。
いずれにせよ神経や血管が関係してきますので、痛みやしびれ、知覚障害が出ることがあり医療機関での診察と治療が必要です。
(手根管症候群)
「ガングリオン」
ガングリオンは皮下に発生する指先大の柔らかな腫瘤(良性)で、手関節によくできるとされています。
痛みの伴うものは腫瘤を取る(注射器などで吸引する)こともありますが、再発を繰り返すことが多いとされています。
また、ガングリオンが手根管やギオン管を圧迫することで手根部の神経症状が出ることもあります。
ガングリオンが大きく硬くなり、それに伴い痛みやしびれ、関節の動きなどの制限があるようであれば医療機関で対応を相談することがいいでしょう。
「キーンベック症候群(月状骨壊死)」
手根骨の1つである月状骨が血行障害によって「壊死」してしまう病気です。
10~40台の男性で手首にかかる負担が大きい職業の方に多いとされていますが、手首を使うスポーツで多く、女性にでも起こります。
原因は、使い過ぎや疲労骨折などの諸説はありますが定かではありません。
進行すると手関節が拘縮して動かなくなってしまうため、医療機関での適切な診断と治療が必要です。
「腱鞘炎(ドケルパン病)」
「腱鞘炎」と言ったら、ここ!と言われるように手首の代表的な慢性外傷です。
手首や親指の使い過ぎにより、親指の動きに関わる短母指伸筋と長母指外転筋の腱および腱を取り囲んでいる腱鞘が炎症をおこすことで発症します。
スポーツでも見られることありますが、ほとんどは日常的に手を多く使う仕事(例えば調理師がフライパンを振る動作を繰り返すなど)での発生が多くみられます。
今は、パソコンやスマホで親指を酷使することも多く、それが原因となって発症するケースも見られます。
手の親指の付け根付近に、痛みと熱感、腫れがあり、圧すと痛みがあり手首や親指を動かすとかなりの痛みが出ますので日常生活にも支障が出ることが多くあります。
親指を握り小指側へ手首を傾けると腱や腱鞘が引き延ばされ強い痛みが出るのが特徴です。
また、腱鞘は関節のあるところに多く存在し、手指の曲げ伸ばしで腱と腱鞘がこすれ合い炎症を来たすこともあります。それが進行すると炎症部分が硬くなり、指を伸ばすときに炎症部分が引っかかり「バネ指(弾発指)」に発展することがあるので注意が必要です。
(短拇指伸筋と長母指外転筋)
(アイヒホッフテスト・拇指屈曲テスト)
初期では安静と冷却、固定。慢性期では、加温、マッサージ、ストレッチ、電気療法などで回復しますが、日常的に手を使うため長期にわたることも多く、とくに仕事で手を使わなければならない方は、治療途中で少し軽快すると作業に復帰し再び痛みが増悪することを繰り返すため、治療にかなりの時間を費やさなければならない場合も多くみられます。
セルフケアが重要で、慢性期に入ったらお風呂などで患部を温めて血行を良くし、マッサージやストレッチなどをこまめにすることと、サポーターやテーピングで患部を保護し、症状の増悪や再発を防ぐことも必要です。
サポーターは適度に患部を圧迫し、可動を制限し、保温効果もありますので仕事中などは積極的に使用した方がよいでしょう。
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