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テーピングについて知りたい!テーピングの効果や目的を解説 Vol.2

テーピングについて知りたい!テーピングの効果や目的を解説 Vol.2

テーピングについて知りたい!テーピングの効果や目的を解説 Vol.2 IMAGE

スポーツでもよく発生する足関節の捻挫を防止、あるいは再発を防止するための基本となるテーピングを解説していきます。

執筆・監修者

村木 良博 IMAGE

村木 良博

(有)ケアステーション 代表取締役 スーパーバイザー
(財)日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー マスター(JSPO-ATマスター)

【役員】
(公財)日本オリンピック委員会 強化スタッフ
(公財)日本テニス協会 ナショナルチーム委員会
(公財)日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー部会員
(社団)日本アスレティックトレーニング学会評議員
元日本バスケットボール協会医科学研究部員
元日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部会長

【講師】
花田学園アスレティックトレーナー専攻科非常勤講師
東京有明医療大学 非常勤講師
東京医療福祉専門学校教員養成科 非常勤講師

足関節のテーピング(内反防止)

ポイント:内反捻挫(ないはんねんざ:足の裏が内側へ向いて、外側の靭帯を損傷する)に対するテーピングなので、ターゲットとする靭帯は足関節の外側くるぶしの周りにある踵腓靭帯(しょうひじんたい)、前後の距腓靭帯(きょひじんたい)、または前後の脛腓靭帯(けいひじんたい)が可動域より伸ばされないように巻いていきます。
さらにつま先が下に向きすぎないように関節の動きを制限し、全体的に圧迫をかけることで関節を安定させます。

①足の外側が開かないように制限する。
②底屈(つま先が下に向く動作)しすぎないように、関節を制限する。
③足関節全体に適度な圧迫をかける。



図7 :外踝(がいか:外くるぶし)


図8 :足関節の外側靭帯


図9 :足関節の内側靭帯


図10 :足関節の動き(内反)


図11 :足関節捻挫(内反)

テーピングに使用するもの

①スキンタフナースプレー粘着強化剤または皮膜剤

テープにも粘着性はあるものの、運動や発汗、天候などによりテープの粘着力が低下するとテーピングの効果が減少します。
それを防止するために皮膚表面にも粘着性を持たせるために、スキンタフナースプレー(粘着強化剤)や、被膜材を使用し、テープのずれを少なくします。被膜材は、特殊ポリマーを皮膚表面にコーティングすることにより、テープによる刺激から肌を守り、かぶれを防止します。
とくに肌の弱い方には、粘着強化剤に代えて、被膜材を使うことが多くなっています。



のり除去用 リムーバースプレー

②ヒール&レースパッド(ワセリンパッド)

足関節のテーピングでは、内外反を防ぐため可動域を制限しますが、底背屈はある程度動かなくては運動ができません。
底背屈の繰り返しで、テープが擦れるアキレス腱-踵部分(ヒール)足関節の前の部分(レース:靴ひもを結ぶ部分)を守るために、ワセリンを塗ったパッド(ヒール&レースパッド:ワセリンパッド)を充てます。


図14:ヒール&レースパッド(ワセリンパッド)

③アンダーラップ

テープの着け剥がしによって起きる、かぶれや肌の荒れを防止するために、テープを巻く部分全体にポリウレタンフォームを巻きます。
ただし、テープと皮膚の間に若干すき間が生じるため、ケーピングの効果は若干低下することがあります。使用には何を優先するかによって使う物が決まります。


アンダーラップ 幅70mm×27m(伸長)

④ホワイトテープ 38㎜(1.5インチ)

足関節を固定するための、伸び縮みのしない粘着テープで、テーピングの主役となるテープです。白い包帯のように見えることから「ホワイトテープ」と呼ばれています。
伸び縮みしない分、からだの形に合わせてテープを密着させなければならないため、若干のコツが必要です。


非伸縮性 コットンテープ 幅38mm×12m

⑤エラスティックテープハンディーカット50㎜(2インチ)オプション

テーピングの仕上げや、固定力を長持ちさせるために足関節全体に圧迫をかけるために使いテープです。
膝や肩の大きな関節に固定として使う、手で切れない(シザーズカット)タイプのものではなく、薄くて手でも切れる素材を使っているため、ソフトな圧迫感を持たせます。


伸縮性 エラスチックテープ 幅50mm×4m(伸長)

【テーピングに使用するもの】
①スキンタフナースプレー粘着強化剤または皮膜剤
②ヒール&レースパッド(ワセリンパッド)
③アンダーラップ
④ホワイトテープ 38㎜(1.5インチ)
⑤エラスティックテープハンディーカット50㎜(2インチ)

ポジショニング:テーピングの姿勢

テーブルに座り、テーブルの端から下腿部の半分ほど出るようにする。
膝関節は伸展位、足関節は直角とし、立った時の状態を想定する。
(つま先を下に向けたままテープを巻くと立ったときにきつさ、締め付け感が生じるのを防ぐ。


図18:ポジショニング テーピングの姿勢

粘着強化剤または皮膜剤の塗布

皮膚上にも粘着性を持たせ、運動中のテープのずれを防ぐため、粘着強化剤(スキンタフナースプレー)を塗布する。
皮膚の弱い人やカブレを気にする人には被膜コーティング剤を使用し皮膚へのダメージを少なくする。

皮膚の保護(ヒール・レースパッド、アンダーラップ)

ヒール&レースパッドは、足関節が良く動く部分(足の前とアキレス腱)にテープによる擦れやしわによる皮膚刺激を防ぐため、ワセリンを塗ったガーゼまたはパッドをあてる。
その上からアンダーラップでテープを巻く部分全体を覆い、皮膚へのダメージを少なくし、かぶれなどを防ぐ。

アンカー(脛に2~3巻)

アンカーは船を停泊させるための「錨(いかり)」の意味で、この次に巻くサポートテープが動かないように、そこに留めておくための土台となるテープです。
脛の前から斜めにテープを貼り、ふくらはぎの筋肉部分にかからないようにテープ全体が皮膚に密着するように巻く。きつくならず、しわやたるみが無いように巻く。
2~3巻目は最初のテープに1/2以上重ねて巻く。

スターアップ(平行状、放射状)

足関節の内側と外側をカバーし、とくに内反を制限する支えのテープを3本、脛のアンカー内側から踵を通り外踝の上を通り外側のアンカーに強く引き上げ止める。
3本のアンカーを平行状にするものと、踵を中心に放射状にする方法がある。

①平行状にする方法
①脛アンカー内側→外踝1/2→アンカーへ引き上げ貼る②脛アンカー①に1/2テープを重ね、①と並行し→外踝の中央→①が緩まない程度に引き上げ貼る③脛アンカー内側②に1/2テープを重ね、①②と並行し→外踝1/2→②が緩まない程度に引き上げ貼る・アンカーの上部をテープで止める(アンカーと同様)



②放射状にする方法
①脛アンカー内側中央→踵→外踝中央→アンカー②スターアップ①の上端を上または下に1本分ずらす。→踵部分は同じ部分で重ねる→①が緩まない程度に引き上げ貼る③スターアップ①の上端を下または上に1本分ずらす。→踵部分は同じ部分で重ねる→①②が緩まない程度に引き上げ貼る
アンカーの上部をテープで止める(アンカーと同様)
今回は、放射状にする方法で進めます。





ホースシューとサーキュラ

スターアップに対し横方向へ圧迫をかけ、張力を強化するテープ
まず、ホースシューの土台となるアンカーを足の中足部中央に1~2巻きする
足関節全体に圧迫をかける
①中足部のアンカー外側(小指側)→外踝の下(スターアップが浮いているところ)を圧迫→踵→内踝→アンカー内側(親指側)へ。
テープは足をU字状に囲む形になり、外見上馬蹄形になることからホースシュー(馬蹄)と呼ばれる
②①に1/2重ねU字状に踝を過ぎるまで繰り返す
③ホースシューの前部分が閉じられる位置(踝を過ぎたところ)から、足の前部分を閉じる「サーキュラ」に変わり、脛アンカーの上端まで繰り返し足全体を圧迫する。





ヒールロック

荷重し下腿が前傾した際に、踵を安定させるためのテープ
*外側ヒールロック(踵の外を回る)
①脛の前→脛内側→踵の後ろに向かって斜めにテープをあてる
②踵後→踵外→踵下を経て半周し足背部で止める*内側ヒールロック(踵の内側を回る) 
③脛の前→脛外側→踵の後ろに向かって斜めにテープをあてる④踵後→踵内→踵下を経て半周し足背部で止める







フィギュアエイト

*足関節の底屈を制限する*脛と中足部で数字の「8」を描くよう配置する
①脛の上縁に沿うようにテープを引き出し、足関節内足部の舟状骨の内側にある突起部分にテープをあてる(脛に対し平行)
②脛側のテープ端は足の前を通り外踝の上方に止める
③足側のテープは足裏をまっすぐに横切り、第5中足骨にかけて足外側から足前を斜めに通過④最初のテープと足前で交差し、そのまま脛を回り数字の「8」を完成させる



アンカー

④のアンカーと同様にテーピング施行部分の端(脛の上端部と中足部中央)を止める。
ホワイトテープまたは伸縮性のハンディカットテープで止める。



ラッピング(オプション)

オプションでラッピングを追加することがある。
伸縮性ハンディカットテープを用い、フィギュアエイト、ヒールロックなどを交え、足関節全体を覆い完成。



図42: ラッピング(オプション)

【ラッピングの効果】
■足関節全体を圧迫し、安定感を持たせたい
■フィット感を高めたい
■テープの浮きを抑えたい
■少しでも長持ちさせたい